穴があいていたり破れていたりする場合は、襖を張替える前に必ず補修をしましょう。
ここでは自宅でできる襖の補修方法をご案内します。(張替え方法についてはこちらをご覧ください。)
■上張りが少し裂けただけの場合
裂けた紙の裏側にノリをつけて、貼っておきます。
襖専用糊がありますが、小さな補修であれば文房具用の糊でも大丈夫です。
■襖がゆがんだ場合
襖の枠と柱の間に隙間ができてしまいます。
そんな時は、襖の下の枠にくさび形の当て木を当てゆがみを調整します。
当て木は、長さ10cm程度のもので、幅は敷居の幅の板を隙間に合わせてくさび形に削ります。
襖の下の枠に細かいクギを使って打ちつけます。
※隙間が柱の上か下のどちらでできたかによって当て木を入れる位置が逆になるので注意してください。
■大きな穴があいてしまった場合
組子が折れている可能性があります。
一部のみ折れている時は、瞬間接着剤で接着して補修します。
■骨がなくなっている場合
割り箸や同じ太さの木材を使いましょう。
組子が修理できたら、穴の開いている部分に大穴補修紙を穴に対して若干大きめに切り、霧吹きしておきます。
骨と穴の周りに糊をつけて大穴修理紙を張ります。
乾いたら、さらに一周り大きく切った「茶チリ」という下張紙を張ります。
小さい穴で、やぶれた襖紙がちぎれていない場合、糊で元通りに張りましょう。
■大きく破れている場合
古いハガキや画用紙を破れ目に差し込んでから張ります。同様に茶チリを、破れた箇所の上に張ります。
差し込む厚手の紙が上張と下張との隙間に落ち込んでしまいそうな場合は、その紙に針で糸を通し、裏側に玉結びを作ってから、糸で紙を引き寄せながら差し込みます。上張の襖紙をほぼ貼り終えたところで表側の糸を切り捨てます。
補修作業に入る前に、襖の破れた部分に霧吹きで水をかけて湿らせておくと、仕上がりがきれいになります。
襖を外し、補修した部分に本などの重たいものをしばらく乗せておくと、きれいに張りつけることができます。
■襖の開け閉めが困難になってきたら・・・
(1) 敷居が減って滑りにくくなっている
専用の敷居すべりテープがホームセンター等で販売されていますので、これで解決できます。
特に敷居やふすまの底が減ってきているときに重宝な対策商品です。
反対に、滑りすぎる場合は、ベビーパウダーを敷居に塗りましょう。滑り具合を調整することができます。
(2) 鴨居が曲がったり敷居と鴨居の間が変形している
ほとんどの襖は、縦の縁の上下が少し突き出していて、そこが鴨居と敷居にしっかりはまっています。
鴨居が下がってきて、この縦の縁の高さがひっかかるケースが多いようです。
引っかかる部分を紙やすりで削るなどして、調節してみましょう。
※削りすぎに注意しましょう。
こんな場合は新しい襖に取り替えましょう。
■襖の底がすり減って外れやすくなっている
敷居の溝の中にすべりをよくする専用のテープを貼って溝を浅くしたり、縦の縁の上角(鴨居に当たる部分)にこのテープを貼ってみましょう。なお、襖は襖紙の張替えだけでなく、縁や引き手の取替えも簡単にできます。立て付けが悪くなったら、毎日使うものですから、これらの修繕についても、お気軽にご相談ください。
■襖が歪んでいる場合
襖自体がねじれてしまったり歪んだりしているとき、紙と木でできている和襖の場合、力をかけると多少は直ることがあります。
(※但し、すぐに元に戻ってしまうことが多いようです。)
開け閉めのときに引っかかる部分を調べて、その部分を削る方法が一般的ですが、うまく直らない場合は襖そのものを新しく取り替えましょう。 |