家庭でできる襖の張替え | ||||
必要な道具・あると便利な道具 | ||||
鋲ぬき
引手を固定している小さな釘を抜くのに使用します。 スポンジ・タオル
襖紙に付いている糊を戻すのに使います。 |
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カジャ
襖の枠を外す時に使います。 のりバケ
糊を塗る時に使用します。 |
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金づち・木づち
枠木を外す時に、組むときに使用します。 撫でバケ
襖紙を貼る時、空気を追い出すのに使用します。 |
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はさみ・カッター
大きめの物を用意しましょう。 ドライバー
引手を外す時に便利です。 |
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襖紙専用糊
再湿糊付きではない襖紙の場合、必要です。 襖紙
模様、価格と様々あります。 お好みでどうぞ。 |
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張替える前に | ||||
襖紙を張替え前に、先ずはもう一度、襖の正確な構造を理解しておきましょう。「襖の構造と機能」のページをご覧ください。襖は基本的に襖紙(上張り)・縁・引手・襖芯の4つの構造からなっています。襖紙を綺麗に貼りかえるためにはこの構造を一つ一つ、丁寧にバラしていかなければなりません。あせらず、ゆっくりと順を追って丁寧にやっていきましょう。 | ||||
1.縁を外す | ||||
先ずは襖の外側全体を覆う縁を長辺→短辺の順で丁寧に外していきます。最後に組みなおす際にどの上下左右が逆にならないように番号をふったテープなどを張っておくと分かりやすくなります。(上下左右が逆だと襖のガタつきや変形の基になってしまいますのでご注意!) 縁を叩く時には必ず当て木を沿えて叩くようにしましょう。当て木を添えないと変形や歪みのもとになってしまいます。 |
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縁は縁に掘られたL字型の溝に折れ合い釘(L字型の釘)やうち釘の頭を挟み込んで襖芯に固定されています。(左図(襖と襖芯の概念図)参照。) 必ず長辺(横)から外し、短辺(上下)の順番で外すようにしてください。順番を逆にして無理に外そうとすると歪み・変形の基になります。 |
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隙間にはさんで少々強引に
短辺(上下)の縁は釘打ちになっていますので、カジャや縁はがしを使ってゆっくりとはがしてあげましょう。縁がはがし終わったら折れ合い釘、うち釘を抜く事もお忘れなく。 (作業中の怪我の元になります!!) |
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2.引き手を外す | ||||
次に引手部分を外します。引手は内側から小さな釘でとめてある場合と糊で直接とめてある場合があります。内側から釘でとめてある場合は釘抜き等でひき抜けば外れます。糊で接着してある場合は引手と本体の僅かな隙間にマイナスドライバーを挿し込んで、多少強引に外してください。 強引に外す際にも引手を傷つけたりしない程度に強引すぎないように注意してください。 |
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3.襖紙の切り出し | ||||
縁と引手を外したらいよいよ襖紙の切り出しにかかります。襖紙を切る際には糊面を表にして襖芯よりも四方1~2cm程度の糊代分を残して切り出します。 糊しろ分は真っ直ぐである必要はありませんが、模様のある襖の場合には模様が真っ直ぐであることを確かめて切り出すようにしましょう。 |
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4.糊付け | ||||
再湿性の糊が施されている襖紙の場合にはたっぷりと水を含ませたスポンジ、タオルにて全面を濡らします。たっぷりと水を塗ることがポイントなので、2度塗りをオススメします。 水を塗ったあと、2~3程度で紙が伸びてきます。 糊のついていない襖紙の場合には専用の糊をバケツに入れて濃い目に水溶きしたものを専用の水バケで全体にくまなく塗っていきます。 |
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5.襖紙の糊付け | ||||
襖紙を貼る際には二人で行うようにしてください。二人で襖芯の両端を持ち、片方ずつ降ろしていきます。切り出しをした際に付けた印を目標に慎重におろせば、大きくずれることなく綺麗に貼れます。 | ||||
両端を降ろし終わったら表裏を返し、撫でバケを使って中央から外に向かって空気を抜いていきます。空気抜きをしても襖紙はデコボコしていますが、これは紙が乾けば伸びてきますので気にしないで乾燥するのを待ちましょう。明らかに大きなデコボコがある場合には、糊が完全に乾ききらないうちに一回、そこまで剥がしてから再度貼りなおしましょう。 はけを内から外に向かってなでて、 空気を抜きます。 |
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表面を全て貼り、空気抜きまで終えたら、糊代の余白部分を折って折れ合い釘や打ち釘を打ち込んでいきます。はみ出した余白部分や角の余りはこの時点でカットします。 |
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6.縁の取り付け | ||||
糊が完全に乾いたら縁の取り付けを行います。 外した時とは逆に上下の縁から取り付けていきます。上下の縁は釘打ち。左右の縁は釘の位置と縁の穴を合わせてかぶせてはめていきます。この時も外した時と同様にあて木をして、金づち・木づち等で強すぎない程度の力で叩いてはめ込んでいきます。 最後に引手をつけて完成です。釘打ち式の場合には釘を打つ際に引手を傷つけたり、手をうったりしないように気をつけましょう。 最近ではアイロンで貼れる様な便利なものや、洋室にも合うような様々な模様の物がありますのでインテリアデザインなどに合わせて是非ともチャレンジしてください。 |